毎日を思い出に残そう。エッセンシャルオイルを暮らしに取り入れる
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皆さんは「ふと懐かしい香りを感じて昔のことを思い出す」という経験をしたことはありませんか?
例えば金木犀の香りを感じて秋に近所を散歩した時のことを思い出したり、みかんの香りを感じてみかん狩りに行った時のことを思い出したり…といった経験が少なからずあるのではないでしょうか。
特定の香りがそれに結びつく記憶や感情を呼び起こすことを「プルースト効果」と呼ぶほど、香りは記憶に強く結びついているといわれています。
普段の何気ない1日は、記憶に残らずに過ぎてしまいがち。でもその中に香りがあれば、いつかその香りを感じた時に「こんなこともあったな」とふと思い出すことができるかもしれません。
心地よい香りで毎日の暮らしを楽しく過ごすだけでなく、記憶として心に残していく。今回はそんな「香りのある暮らし」をお手軽に始められる香りアイテム、エッセンシャルオイルについてご紹介します。
エッセンシャルオイルって?アロマオイルとの違いも
エッセンシャルオイルを探していると、必ずといっていいほど迷ってしまうのがアロマオイルとの違い。見たままだと同じに見えるものもあるので、わからなくなってしまいますよね。
意外とあいまいにしか知られていないエッセンシャルオイル(精油)ですが、日本アロマ環境協会(AEAJ)はこのように定めています。
“植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質”
AEAJ.「精油とは」(参照: 2023-07-17)
簡単にいうと、植物から抽出した天然純度100%のものだけがエッセンシャルオイルで、何かしらの混ぜものが入っていたり、植物の香りに似せて人工的に作られたりしたものがアロマオイルです。混ぜものには、たとえば香料・キャリアオイル・無水エタノールなどが添加されていることが多いようです。
ただ、アロマオイルとエッセンシャルオイルは混同して販売されていることも。購入するときは成分表示をしっかり見て、エッセンシャルオイルなのかアロマオイルなのかを見極めることが大切ですね。
エッセンシャルオイルの使い方
エッセンシャルオイルを様々な形で取り入れて、その香り成分を美や健康に役立てていく自然療法を「アロマテラピー(Aromatherapy)」といい、フランスなど一部の国では医療現場でも受け入れられるなど、世界中で親しまれています。
エッセンシャルオイルの香りを暮らしに取り入れる方法はたくさんありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。自分に合った使い方をぜひ試してみてくださいね。
無水エタノールで希釈してルームフレグランスに
エッセンシャルオイルを一番手軽に楽しめるのが、ルームフレグランス。エッセンシャルオイルを無水エタノールで希釈し、ディフューザーやアロマストーンなどでお部屋全体に香りを広げます。
そのままでは濃度が高すぎるため、無水エタノール50mlに対してエッセンシャルオイルを10滴ほどに薄めることが大切。もちろんアロマオイルなど、すでに薄まっているものを使う分には薄めなくても大丈夫です。
香りを手軽に楽しめるだけでなく、お部屋の雰囲気になじむディフューザーをインテリアとして取り入れることで、暮らしの空間をおしゃれに演出してくれます。エッセンシャルオイルを試してみる方は、まずルームフレグランスとして楽しんでみてもらえたらと思います。
キャリアオイル(ベースオイル)で希釈してマッサージ・保湿ケア
エッセンシャルオイルと同じ植物由来のオイルであるキャリアオイルで希釈すれば、マッサージや保湿ケアなどに使うことができます。
肌に使用できるホホバオイル・スイートアーモンドオイル・オリーブオイルなどのキャリアオイルに、エッセンシャルオイルを1%以下の濃度で希釈し、マッサージをします。エッセンシャルオイルは原液の状態では肌への刺激が強すぎるため、必ずキャリアオイルで希釈しましょう。
マッサージが終わったら蒸しタオルでオイルをふき取るだけ。サロンに行けなくても自宅で体のケアができ、オイルで肌もしっとりします。エッセンシャルオイルのいい香りが広がるので、気分もリフレッシュできますね。
マッサージにつかうエッセンシャルオイル選びの際、紫外線にあたると肌にダメージがでる可能性のあるベルガモット・レモン・グレープフルーツは避けたほうがいいかもしれません。また、肌につかうぶん炎症などが起きていないかこまめにチェックするのがおすすめです。
お風呂やお湯にたらして立ちのぼる香りを楽しむ
エッセンシャルオイルをお風呂やお湯にたらして、空間に広がる香りを楽しむのもひとつの方法です。
お湯から立ちのぼる蒸気によって香りが広がっていくので、湯舟にエッセンシャルオイルをたらせばバスルーム全体にいい香りが広がります。湯舟以外にも、マグカップなどにお湯を注いでオイルをたらせば、お部屋で手軽に香りを楽しむこともできます。
ただしバスタイムに使う場合は、マッサージの時と同じように肌への刺激に注意が必要です。エッセンシャルオイルを入れすぎて濃度が高くなりすぎないよう気を付けましょう。また、肌が弱い方はキャリアオイルや乳化剤も併用してみるといいかもしれません。
初めての方にもおすすめ。人気のサステナブルなエッセンシャルオイル
ルームフレグランスやバスアイテムとしてではなく、マッサージなど幅広く楽しむことができるエッセンシャルオイル。でもどんなものが使いやすいのか、初めてだと迷ってしまいますよね。
そこで今回は初めての方にも試しやすい、当店人気のエッセンシャルオイルをご紹介します。間伐材を使ってつくられていたり、サンゴの保護にもつながっていたりとサステナブルな魅力をもったアイテムばかりですので、そういったところもオイル選びの参考にしてみてくださいね。
当店人気No.1のエッセンシャルオイル。結のこころ「石垣島 月桃」
皆さんは「月桃」という植物をご存じですか?
月桃(げっとう)は、日本では九州南部から沖縄にかけて自生しているショウガ科の植物で、沖縄ではサンニンやサニンといった名前で呼ばれ、昔から身近なハーブとして親しまれています。
月明りの下、まるで桃のようにかわいらしく輝くつぼみの形から名付けられた月桃は、ショウガに近いさわやかな香りの中にほんのり甘さを感じる芳香が特徴で、実は当店で最も売れているエッセンシャルオイルです。
沖縄のサンゴ減少の原因のひとつである畑の赤土流出を防ぐために、農家の方々へお願いして畑のまわりへ月桃を植栽。そうして収穫された月桃をつかって作られています。サンゴ保護活動にもつながる、結のこころの「石垣島 月桃」。ぜひお試しいただきたいアイテムです。
こっくりと甘く爽快な香り。杉乃精「kyonoka 黒文字」
月桃と同じく、あまり聞き馴染みのない黒文字(クロモジ)ですが、こちらも実は人気の香りです。
黒文字はクスノキ科の植物で、昔から和菓子の爪楊枝に使われてきた馴染み深い木でもあります。リナロールという芳香成分を主に含んでおり、ウッディーな香りの中に爽やかで上品な甘い香りが心地よく、リラックスしたいときにも、気持ちを切り替えたいときにもおすすめです。
京都・京北で間伐材を有効活用して精油づくりに取り組む杉乃精の「kyonoka 黒文字」は、宮津市の世屋(せや)高原で山掃除をした際に出る間伐材の黒文字を買い取り、手作りの設備をつかって丁寧に蒸留し作られたエッセンシャルオイル。心地いい香りだけでなく、「捨てられるはずの木材を循環させて荒れた山をきれいにしていこう」という作り手の思いをぜひ感じてください。
どっしり甘くやすらぐ香り。島の記憶「屋久島地杉(幹)」
森林浴をしているかのような、清々しい香りが特徴の杉。屋久島の杉である屋久杉は、標高500m以上に自生する樹齢1,000年以上の杉のことを言いますが、2001年から伐採は禁止されています。その屋久杉の種や苗木などから育てられた杉が、屋久島地杉(やくしまじすぎ)です。
島の記憶の「屋久島地杉(幹)」は、杉乃精と同じく屋久島の森づくりの過程で出る間伐材を利用して作られたサステナブルな精油。同じ杉でも枝葉と幹とでは香りも異なることから、幹で精油を作ることにこだわっています。
屋久島地杉の幹から作った精油はやや甘くどっしりとした香りが特徴的で、落ち着きたい時間にぴったり。年齢を選ばない杉の精油は、どんな方にもぜひ一度お試しいただきたいアイテムです。
エッセンシャルオイルの香りで日々を思い出に残そう
はじめにご紹介したとおり、香りは人の記憶と強く結びつくといわれています。
この香りが漂うと、大切なあの人と過ごした時間がよみがえる。この香りを感じると、あの場所で暮らした日々を思い出す。そんなふうに、思い出を香りと結び付けて心にしまっていくのも、なんだか素敵ではないでしょうか。
どんなことがあったのか忘れてしまいがちな日常にそえるだけで、毎日が楽しくなるだけでなく、大切な思い出として心に強く残すこともできる「香り」。そんな香りを暮らしにもたらしてくれるエッセンシャルオイルを、ぜひ一度取り入れてみてはいかがですか。