フランスのクッキー“チュイール”から着想を得たスイーツ「Nami-Nami」

フランスで古くから身近なお菓子として親しまれてきたクッキー、“チュイール”。京都発のスイーツブランド「RAU」の定番焼き菓子である「Nami-Nami(なみなみ)」の誕生には、このお菓子が大きく関わっています。

普遍的なものとしてフランスの歴史の中に受け継がれてきたこのチュイールが一体どのようなお菓子なのか。シェフショコラティエがどのように商品づくりに生かしたのか。この記事ではそんな背景も交えながら、「Nami-Nami」に込められたストーリーをご紹介します。

フランス語で瓦屋根を意味するクッキー“チュイール(Tuile)”

“チュイール(Tuile)”とはフランス語で瓦を意味し、フランスの田舎(主に南のプロヴァンス地方)の屋根をモチーフにした形状が特徴のクッキーです。

チュイールは小麦粉や砂糖、バター、アーモンドなどをオーブンで薄く焼き上げたものが一般的。その食感はサクサクと軽やかで、バターやアーモンドの香り高い味わいが口の中に広がります。

紅茶ともよく合うためティータイムにぴったりのクッキーですが、軽い口当たりはアイスクリームやプリンなど他のデザートの付け合わせや飾りつけにも相性がよく、また手軽に作れることから、身近なお菓子としてフランスで親しまれてきました。

“どこにもない、新しい価値を”。シェフショコラティエの想い

スイーツブランド「RAU」のシェフショコラティエである松下裕介と高木幸世は、“RAUをまだ知らない人が、見た目や名前から興味を持つきっかけとなるような商品を作りたい”と考えていました。その中でメインテーマとしていたのが、「どこにもないもの」と「新しい価値」です。

例えばクッキーやマカロン、フィナンシェなど、誰がどのレシピで作ろうとその名前はずっと変わらず、普遍的に固有名詞として歴史の中に受け継がれています。日本らしさと洋菓子の本場であるフランスらしさの融合により、そんな新しい価値をRAUのお菓子からも発信できないか…というアイデアから、RAUの定番の焼き菓子である「Nami-Nami(なみなみ)」の製作は始まりました。

日本とフランスを融合させた新しいチュイールサンド「Nami-Nami」

日本とフランスの生活様式、建築物、文化などを考えた末に出てきたのは、「瓦屋根」という共通点です。フランスでは瓦を意味する“チュイール”が昔から親しまれてきたように、日本では“瓦せんべい”というお菓子が親しまれてきました。

同じモチーフを選んでも、背景や食材の文化背景が違うと、まったく違った味・形になる事。それがどちらも普遍的に固有名詞として歴史の中に受け継がれているという事。

そこからヒントを得て、フランスと京都の瓦屋根の風景の記憶を融合させ、日本人が表現する新しいチュイールを滑らかなクリームでサンドし、「わかりやすく、覚えやすい、名前から想像してわくわくしてもらえるような商品」として具現化させました。

自家製ビーントゥバーチョコレートを挟んだ、波型のチュイールサンド

チュイールサンド「Nami-Nami」で特徴的なのは、RAUのシェフショコラティエがフランスを訪れた時に見た赤色の屋根瓦の風景、京都の町で見上げた均一に並んだ墨色の屋根瓦の風景から着想を得た波型のビジュアル。

プレーン、ショコラ、ゴマのクッキー生地の間に、それぞれプラリネ・抹茶・ショコラと3種の軽やかなクリームと、食感と味のアクセントとしてカカオ豆から作った自家製ビーントゥーバーチョコレートをサンドし、一口の中に様々な食感を楽しめる親しみやすい味わいに仕上げています。

見た目の可愛らしさや美味しさを楽しめるだけでなく、お菓子に込められた情景も心で味わえるチュイールサンド「Nami-Nami」。お菓子に創造性あふれる表現を追い求めるシェフショコラティエが生み出した新しいスイーツを、ぜひ一度お試しください。

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